窓の向こうでは雨が降り、園庭には水たまりができています。「今日は外に行けないね」と少し残念そうにしていた子どもが、しばらくすると床いっぱいに積み木を広げ、友だちと大きな町を作り始める。幼児期の遊びは、場所や天候が変わることで新しい方向へ広がることがあります。晴れの日も雨の日も、その日の環境を生かしながらどんな時間を過ごしているのか。そんな園の日常を知りたい方は、高田の認定こども園で過ごす時間を見ることで、子どもたちの生活を想像する一つのきっかけにもなります。
外へ出られない日は、できることが少なくなるように思えるかもしれません。
けれど、子どもたちの目線では少し違います。
いつもより長く積み木を楽しむ。
大きな紙いっぱいに絵を描く。
椅子を並べて乗り物に見立てる。
絵本をきっかけに、登場人物になりきって遊ぶ。
一つの場所でじっくり過ごすからこそ、遊びが深まることがあります。
たとえば積み木。
最初は一人で高く積んでいただけだったのに、隣の子が「ここに道路を作ろう」と言う。
すると、別の子が車を持ってくる。
さらに「こっちは駅にしよう」と新しいアイデアが加わります。
気づけば、最初に作ろうとしていたものとはまったく違う世界が広がっています。
こうした遊びには、完成図がありません。
だからこそ、
「どうしたら倒れないかな」
「ここにつなげられるかな」
「もっと大きくするにはどうしよう」
と、自分たちで考える場面が生まれます。
うまくいかなければ壊して作り直す。
友だちの方法を見て、まねしてみる。
別の材料を持ってきて試す。
遊びの中で自然に繰り返される「やってみる」「考える」「もう一度試す」という経験は、子ども自身が答えを探す時間でもあります。
雨の日ならではの発見もあります。
窓に流れる雨粒を眺める。
屋根に当たる音を聞く。
「雨ってどこから来るのかな」と話す。
晴れている日には気に留めなかったものが、急に興味の対象になることがあります。
大人があらかじめすべてを教える必要はありません。
「ほんとだね」
「どっちに流れているかな」
と一緒に眺めてみるだけでも、次の疑問が生まれることがあります。
身体を動かしたい子どもにとっても、室内でできることがあります。
音楽に合わせて身体を動かしたり、簡単な動きを組み合わせたり、限られた空間の中で安全に楽しめる方法を考えたりする。
広い園庭を走るのとは違うからこそ、自分の身体の動かし方を意識する場面もあります。
また、室内で過ごす時間が長い日は、友だちとの距離も近くなります。
使いたい玩具が重なる。
作っていたものに別の子が興味を持つ。
「貸して」「あとで」「一緒にやろう」。
そこでは、自分の思いを伝えるだけでなく、相手の気持ちに気づく経験も生まれます。
うまく話がまとまらないときには、大人が少し言葉を補います。
けれど、すぐに答えを決めるのではなく、「どうしたら二人とも遊べるかな」と子どもたちが考える余地を残すことも大切です。
園生活には、予定通りにならない日があります。
天候が変わる。
興味を持つものが予想と違う。
準備した活動より、偶然始まった遊びに夢中になる。
そんなとき、予定を守ることだけを優先するのではなく、目の前の子どもの姿からその日の過ごし方を考えていくことも保育の一つです。
「雨だからできなかった」で終わらない。
雨だから、いつもより長く作れた。
雨だから、友だちと新しい遊びを考えた。
雨だから、窓の外をじっくり眺めた。
子どもにとって一日は、天気に関係なく発見の連続です。
特別な活動がなくても、身近なものから遊びをつくり、自分で考え、友だちのアイデアと組み合わせていく。
そんな柔らかな発想を大切にできることも、幼児期の毎日を過ごす園ならではの魅力です。