年少チューリップ組の頃と年長ひまわり組の頃に、担任をしてくれた先生の二人は、それぞれ個性が真逆だったのですがとてもやさしい先生でした。年少チューリップ組の先生はぽっちゃりしていて、子供たちがくっついたりじゃれたりしてたくさん甘えた先生。年長のひまわり組の先生は、細くて運動神経が良く、幼稚園の庭園へお遊戯室でたくさん体をつかって遊んでくれた先生でした。子供たちは、そんなせんせいのおかげで、元気いっぱいに育ちました。そしてついに卒園が迫った時期のことですが、なんと父兄たちに、お手紙でこのお二人の先生がお嫁さんになることわかったのです。こどもたちは、先生方が心から大好きで、子供どうして先生の取り合いをしているほどでした。先生をお嫁さんにしたいと、言っていた男のもいました。女の子も、男の子も、自分たちの大好きな先生は自分たちだけのものだと思っている雰囲気を父兄は感じ取っていたのです。それで、多くの父兄から、先生お二人に申し訳ないのですが、ご結婚のことは幼稚園では秘密にしてもらいたいという意見が出ました。しかし、卒園式の準備を心を込めてしてくださる先生の姿を見ていると、何かお祝いをしてあげたいという声が、後から父兄の中からでてきました。それで、私たちの中でお裁縫が好きな人が集まり、きれいなレースを使って、お花でデコレーションしたヴェールを作って、卒園式の最後に先生の頭につけてあげることになりました。もちろん、子供たちの気持ちも配慮できるように渡すときの工夫を考えました。当日、子供たちも先生も何も知りませんでしたが、園長先生に承諾をとりラジカセで結婚式の曲を最後の教室でかけました。子供たちも、先生も、曲を聴いて最初驚き、ざわざわしました。そして、隠してあったヴェールを先生お二人の頭にのせてあげました。すると、子供たちは、素敵なヴェールを頭にのせてもらった先生がとてもかわいくて、嬉しい悲鳴があちこちからわきました。この演出が成功し、子供たちは、練習もしてないのに自主的に口々におめでとうと大きな声で言い、みんなで喜びました。とても、いい思い出です。