朝の光が、園庭のすべり台の上に柔らかく降りそそぎます。
風に揺れる木々の音、遠くから聞こえる踏切のリズム、子どもたちの笑い声。
新しい一日がはじまる場所には、いつも変わらないぬくもりがあります。

ここには「子どもたちが自分で見つけ、考え、感じる」時間があります。
大人が先に答えを与えるのではなく、子どもが自分のペースで世界に触れることを何よりも大切にしています。

泣いていた子が笑えるようになるまでの時間、できなかったことが「できた!」に変わる瞬間、友だちと一緒に遊ぶ中で生まれる思いやり。
そのすべてを見守るまなざしが、この園にはあります。

地域に根を張る高田のこども園は、子どもたちの「日々の物語」を支える場所です。
保育室の窓から見える空、園庭の小さな花、先生たちの優しい声。
すべてが子どもたちにとっての学びであり、未来を育てる栄養でもあります。

先生たちは“教える”よりも“寄り添う”を大切にしています。
「どうしてそう思ったの?」「やってみたいね」と、子どもの気持ちを受け止めながら、一緒に考え、一緒に笑う。
その中で子どもたちは、「自分の思いを表現してもいいんだ」と知ります。

給食の時間も、ただ食べるだけの時間ではありません。
「今日のスープ、あまいね」「にんじん、好きになったかも」――そんな会話が、日々の成長を彩ります。
食事を通じて季節を感じ、食べものに感謝する心が少しずつ育まれていきます。

保護者との対話もまた、この園の大切な時間です。
「昨日よりも笑ってましたね」「こんなことを言っていましたよ」と伝える先生。
その言葉に、保護者はほっと息をつき、家でも子どもの成長を実感します。
園と家庭が一緒になって子どもを育てる――そんな関係性が、日々の中で自然に築かれています。

そして何より、この地域の人々が園を見守ってくれています。
通りがかりに声をかけてくれるお年寄り、祭りの日に手を振ってくれる商店の方々。
そうした小さなつながりが、子どもたちの心に「自分は守られている」という安心を刻んでいくのです。

夕方、園庭のすみで一人遊びしていた子が、「また明日も遊ぼうね」と先生に手を振ります。
その手の中には、今日一日で見つけた小さな宝物がきっとあるはずです。
この園の毎日は、その小さな宝を集めていく旅のようなもの。
子どもたちの歩幅で、ゆっくりと確かに未来へ進んでいます。