私が幼稚園の時のお話です。新米のH先生はおおらかで優しい先生でした。ある日、私はいつもよりわくわくしながら登園しました。給食が大好きなサンドイッチだったので、とても楽しみにしていたのです。給食の時間、皿に入っているサンドイッチをあっという間に食べ終わり、おかわりをしました。しかし、いつも以上にたくさんおかわりをしてしまい、食後にお腹が痛くなり泣きながら保健室へいきました。ベッドで横になっているとH先生がやってきて、「急に泣き出すからびっくりしちゃったよ。大丈夫?」と声を掛けてくれました。幼稚園では基本、たくさんの子ども達と先生が一人という環境です。先生と二人きりになることなんて中々ありません。私はとても嬉しくなって「えへへ。」と照れ笑いをしたことを覚えています。そこからしばらく、先生と二人でおしゃべりを楽しみました。残念ながら何を話したかまでは覚えていませんが、楽しくて体調もすぐによくなりました。H先生はいつもみんなに優しくて、ほかの子でも同じようにしたと思います。でも、その日は私だけのために心配して、保健室に来てくれました。そのことが本当に嬉しかったので、今でも覚えているのだと思います。先生との少し特別な日は、私の大切な思い出の一つです。