保育園を卒園してから、既に長い年月が経過していますが、振り返ってみると私自身の人生の礎を作り上げた時期といっても良いのではないでしょうか。今でもはっきりと脳裏に焼き付いています。保育園生活では、当然ながらあれこれと面倒をみてくれる先生の影響が大きくなります。私も随分、先生を困らせてしまった記憶があります。色々と先生との思い出がありますが、特に忘れることができないのが、発表会での一幕です。発表会では保護者や教育関係者を集めて、園児たちが劇を披露します。とにかく、幼少期から目立ちたがりの私は主役のヒーロー役をやりたくて仕方ありませんでした。しかしながら、私以外にも数名の男の子が立候補したため、抽選となってしまったのです。残念ながら、結果的に私はヒーローに倒される悪役を演じることになりました。当時の私は子供ながらに一生懸命に自らに課せられた役を演じました。希望したヒーロー役ではなく、悪役を命ぜられた私に対して、先生は労いの言葉をかけてくれました。そして、卒園を控えた時期に開催された発表会では先生が私をヒーロー役に抜擢してくれることに。先生はどんなことにも主体的に取り組む私にご褒美として、粋な計らいをしてくれました。私にとって忘れられない思い出です。