私は現在34歳の女性です。幼稚園の年長さんの頃の話なので、28年ほど前ということになります。私が通っていた幼稚園では、年長さんになると、お泊まり保育というのがありました。幼稚園の教室に、みんなで泊まるのです。お泊まり保育の詳細は全く覚えていないのですが、ただ一つだけ、覚えていることがあります。夜、みんなが寝ている時に、私はふと目が覚めました。すると教室の前の方にゆらゆらと光が見えたのです。今考えてみると、ただの目の錯覚だったとは思うのですが、当時は、火の玉だ!と思いました。私は怖くなり泣いてしまいました。すると、大好きなみき先生が来てくれて、私が寝るまでずっと抱っこしてくれたのです。現在、私には年少さんの娘がいますが、15キロから20キロ近くある幼稚園生は、女性が抱っこしようと思うとかなり重いと思います。自分の娘ですら、極力抱っこしたくないのに、みき先生は、ずーっと抱っこしてくれていました。私はいつの間にか安心して眠っていました。そんな大好きなみき先生とは、卒園する時に、大人になったら一緒に温泉に行こう!と約束をしました。小学校の低学年ぐらいまでは、毎年、年賀状のやり取りをしていて、その度に、温泉を楽しみにしているね、と書いてくれていたのですが、いつしか年賀状のやり取りもなくなってしまいました。現在は連絡先も知らないので、一緒に温泉に行くことは、きっとできませんが、私はみき先生のことは28年間忘れていないし、今後も忘れることはないと思います。幼少期に、大好きな人に抱っこしてもらった記憶があると思うと、とても幸せな気持ちです。