幼稚園の先生と深めた音楽の絆

子どもの通った幼稚園の担任の先生との嬉しかった話です。その幼稚園では、学年の終わりのお別れ会の時に各々のクラスのお母さんがピアノ伴奏をして、子ども達と「歌のプレゼント」を先生に贈る恒例行事があります。しかし、どのクラスにも必ずピアノが弾けるお母さんがいるわけでなく、それでも半ば強制的に弾かされるのです。他のクラスでは、抽選で決まったお母さんがメロディーのみ単音で弾いたり、全く曲が弾けずに止まってしまう方もいらしたそうです。たまたま私はピアノが弾けるのですが、下の子がまだ赤ちゃんで足が立たず、ベビーカーだとぐずる時期でした。ですので本当は弾きたくなかったですが、どなたかが下の子を抱っこしておいてくれるなら、と条件付きで伴奏を引き受けました。童謡レベルなので、自分にはそこまで練習が必要な曲ではありませんでした。お別れ会は無事終了、先生がお礼を言いにいらっしゃいました。そして、毎年いつもお母さんが嫌々弾いてたり、伴奏を失敗したりすることを詫びたりする姿に心を痛めていた、と教えてくれました。その習慣を止めない幼稚園もどうかと思いますが…。そして、私が赤ちゃんを先生に抱っこしてもらいながら楽しそうに弾いていた姿が印象的だったと仰っていました。実は私は元プロミュージシャンだったので、人前での演奏は慣れていると告白したところ、その先生はプロではないものの、週末等によくアマチュアの吹奏楽のコンサートに出演していると教えてくれ、幼稚園で公にはできないけど、よろしければ来てください、とコンサートのチケットをくださいました。そして、私も自分の状況を伝え、下の子が落ち着いたら、それまで入っていたゴスペルグループに復帰するつもりです、と軽くお伝えしました。卒園したあと、ある商業施設のクリスマスコンサートに出演した時、お知らせしていなかったのに、一番前の席にその先生が来てくれていました。市内のゴスペルコンサートをずっと調べていてくださったそうです。先生はもう結婚してお辞めになりましたが、良い関係です。