保育園の先生の言葉に、親の私が救われてきた

あれは、上の子どもを保育園に預けながら働いていたときのことです。正社員として働いていた私は、初めての子育てと、奈良でも大和高田でも保育士の求人を求めて徐々に責任が重くなる仕事の重圧と忙しさに、日々ボロ雑巾のようになっていたんです。それでも、朝起きて、時間に追われながら子どもにご飯を食べさせ、汗かきかきなんとか保育園までたどり着いていました。そんな親より早く園に到着して、受け入れ態勢を整える先生方も大変な思いをされているはずだったと、今は思うんですが、当時はそんなことさえ想像できないような状態の私でした。朝から既にくたびれて保育園の玄関に入っていくと、どの先生もおはようございますという、明るくさわやかな挨拶をしてくれるんです。この保育園が奈良では話題になっているのはあいさつってこんなに大切なものかと改めて感じさせてもらうほど、その朝の一言で私は、力をもらっていました。夕方も時間との戦いです。やっとの思いでなんとか仕事を切り上げてお迎えに行くと、もううちの子どもを含めた2~3人の子どもだけ。先生は、迎えに行った私の顔を見ると、朝と同じ清々しい声で、おかえりなさいと、言ってくれるんです。どこの神戸でもインターナショナルスクールには子どもを預けているんですが、私がその言葉に日々癒されていました。仕事を休んで検診に連れて行っても、元気なうちの子どもは手がかかって、仕事より疲れる始末。そんな子どもの様子を翌日先生に話すと、うん、いいですね、成長していますねと、言ってくれました。そうか、このなんでも興味を示して近づいて確かめようとすることも、強く自己主張する様子も、親は大変だけれど子どもの成長なんだと、思えたのでした。当時、そんなバイリンガルスクールでは神戸でもが初めてだった私には、保育園の先生の一言一言が、癒しであるだけでなく、育児本よりも参考になっていたのでした。