落ち着く香りのする大好きな先生

私が幼稚園に通っている頃の話です。私の住んでいるところは、かなりの田舎で子供の人数がとても少ないところでした。人気の奈良でも、この保育園はどこにも幼稚園といっても中に入ると、迫力満点のたくさんの大きな仏像が煌びやかに並んでいました。子供の目線では、見えないほどに大きくて物々しい雰囲気が漂っているのです。毎日幼稚園に着くと、お釈迦様や鬼子母神様へ感謝の挨拶をしに行きます。あまり活発ではない私が、仏像たちに見張られているようなところへ行き、遊ばなくてはいけないことがいつになっても慣れなくて、怖くてそこへは近付きたくなかったです。奈良の大和高田で求人の保育士はどこもお昼寝タイムになるとみんながスヤスヤと寝始めます。私は緊張が解けないのかいつになっても、目が冴えていくばかりでした。ある日そんな私を見かねてか、先生が私の小さな布団へ入り込んできたのです。私が落ち着いて眠れるのを待っていてくれるように、先生は一言も発しませんでした。顔が近くにあるのでどこを見たらいいかわからず、目をつむりました。先生の温かいぬくもりと、ほのかに香ってくる穏やかな優しい匂いで、私の心が安心していくのを覚えています。何だかずっとこのままでいたいような、心にある何かがゆっくりと溶けていくのが分かりました。いつの間にかぐっすりと眠ることができたので、いつも「先生お布団へ入ってきて」と心の中でお願いしていました。ですが、恥ずかしがりやで内気な私はお礼の言葉も何も言うことはありませんでした。何年経ってもあの時の温かい優しい気持ちは、匂いとともに色褪せることなく、私の記憶にいつまでもずっと、きっとこれからも残り続けていきます。

保育園の授業参観で妊娠初期の私に先生がしてくれた神対応

保育園に長男が最後6カ月で入園し、通い始めて丁度半年ほど経った頃、次男の妊娠がわかった頃のことでした。まだ妊娠初期で、周りのママ友達には妊娠したことを知られたくない時期だったので、保育園には園長先生にだけ、他の先生や他の子供達には伏せておいてほしい旨伝えていました。そんな中、半年保育経過の授業参観に開かれる事になり、仕事の合間をぬって私も参加しました。当日、他のお子さん達はパパママの出席率が高い中、私の主人は仕事が忙しく参加できず1人での参加で、しかもはじめての授業参観でドキドキしつつ楽しみに保育園に向かいました。参観中は絵本の読み聞かせやみんなで輪になってベビーマッサージをしたり他の家族との交流もできて楽しい時間を過ごしました。会も終わりに差し掛かり、最後に先生達と子供達のダンスを見学する時間があったので、保護者は教室の外でガラス窓から見ていたのですが、最後に保護者の方も参加してくださいと先生に促されて教室の中に入りました。ダンスは手をつないで歩いたり簡単なものだったのでこれなら大丈夫と安心していたのですが、二曲目のダンスは子供を抱っこしてジャンプするダンスで、どうしよう、パパもいないし頼めないな、と不安に思っていたとき、教室の隅でCDプレイヤーの操作をしていた園長先生が、すっと寄ってきて「お手伝いしますね」とにっこり笑って一緒に踊ってくださいました。おかげで抱っこしてジャンプするという危険な場面も避けられ、しかも周りの人に不思議がられることもなく無事に授業参観を終える事ができました。私の体調の事も園長先生は気遣ってくれて、スマートに輪の中に入ってお手伝いしてくれた対応には神対応だなぁと感心する嬉しい出来事でした。